不動産需要に大きく影響する住宅ローン金利が、昨年12月に過去最低値を更新しました。
auじぶん銀行は、キャンペーンながらも変動金利を「0.289%」に引き下げ。0.3%を切ったのは史上初です。今後、金融機関による“値下げ合戦”にさらなる拍車がかかる可能性もあるでしょう。
不動産の需要や価格は様々なことに影響を受けますが、中でも大きいのが住宅ローン金利です。
10年ほど前の金利は、変動で0.6%台でした。このときも「もう下がらない!」と言われていたものですが、ふたを開けてみれば、今では冒頭でお伝えした通り0.3%を下回る金融機関も出てきているほどです。
金利「0.6%」と「0.289%」では、返済額にこれだけの違いがあります。
借入額:5,000万円
返済期間:35年
返済方法:元利均等型
毎月の返済額 | 総返済額 | |
金利0.6% | 約132,000円 | 約5,540万円 |
金利0.289% | 約125,000円 | 約5,258万円 |
10年前と比較すると、毎月の返済額で7,000円ほど。総返済額で300万円近く違いが出ているのです。
住宅ローン金利が低いということは、不動産を購入するうえでの大きな後押しとなります。
そもそも住宅ローン金利は、政府による金融政策の影響を大きく受けるものです。
ここまでの低金利が継続している背景には「金融緩和」があります。
こちらのグラフは、2010年の価格を100としたときの住宅の価格指数の推移を表したものです。
マンションの価格上昇率が著しいですが、戸建て、土地ともに「2013年」を起点に上昇していることがわかります。2013年に何が起こったのかというと……今も続く金融緩和政策の開始です。
政府は「物価上昇率2%」を目標に金融緩和を続けており、依然として目標が達成できない日本は、10年近く大規模な金融緩和政策を継続しているのです。コロナ禍ではさらなる緩和により大量の資金が市場に放出されたことで、昨今ではより一層、住宅ローン金利が低下してきているものと考えられます。
金融緩和による住宅ローン金利の低下。そして、住宅ローン金利の低下による不動産需要の増幅という構図になっている現在。気になるのは、2022年も金融緩和が続くのか?ということではないでしょうか。
実際のところ、欧米諸国ではインフレを危惧して金融引き締めに舵を切りつつある国もでてきています。ところが日本は、2021年12月の金融政策決定会合で大規模緩和の維持を決定。当面、金利が大幅に上がるようなことは起きないものと考えられます。
とはいえ、いつまでのこのような大規模な緩和を続けるわけにはいきません。来年、再来年に金利上昇局面に転換する可能性は多いに考えられます。
住宅ローン金利が過去最低水準を更新し続けている今は、不動産を売却する大きなチャンス。上記グラフのように販売期間も短期化しているため、完全に「売り手市場」だといえます。
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